ハンドピースの感染対策(新設備の導入)

6年前にハンドピース(歯を削る医療器具・ドリル)の滅菌についてのブログを掲載いたしました。

 

 

 

ハンドピース 滅菌 DACユニバーサル

2017年開院時の当院でのハンドピースの消毒から滅菌までの衛生管理についての内容です。

 

 

 

当時、
歯科医院で歯を削るハンドピースやグローブ(手袋)が
半数程度の歯科医院で交換せずに使い回しされており、院内感染のリスクがある

歯科医の手袋「患者ごと交換」52%…歯削る機器だけでなかった使い回し

という記事がインターネットで掲載されました。

 

 

 

当院では2017年開院時より、1996年頃にアメリカ疾病予防管理センターCDCにより提唱された「スタンダードプリコーション(標準予防策)」という院内感染予防の概念に基づいて院内感染対策を行っております。
しかし、スタンダードプリコーションが提唱されるより前に歯学教育を受け、その後も最新の医療知識へとアップデートされていない歯科医院では、グローブやハンドピースの使い回しがされていたと思われます。

 

 

 

スタンダードプレコーションを遵守すれば、グローブはディスポーザブル(使い捨て)のものを使用し、患者様ごとに交換することになります。

もちろんハンドピースも患者様ごとに交換することになりますが、ディスポーザブルにはできません。
ハンドピースの使い回しをしないためには、使用後のハンドピースを注油・洗浄・滅菌している間にも他の患者様に別のハンドピースを使用できるように本数を準備する必要があり(当院では20本程度所有しております)、1本でも高額なハンドピースの本数をそろえるにはかなりのコストがかかります。
また、精密機器なので滅菌処理をする回数が増えれば、ハンドピースに負担がかかり故障する可能性が高くなることも使い回しに拍車をかけていたのかもしれません。

おそらく現在は、新型コロナウィルス感染症の影響で、2017年のアンケート調査より使い回しが少なくなっていることが期待されます。

 

 

 

ハンドピースの感染対策に新たな設備を導入

当院では2017年の開院時よりハンドピースの滅菌には DACユニバーサル2 というハンドピースの注油・洗浄・滅菌専用の機械を使用しておりましたが、
部品を製造しているデンマーク工場の閉鎖に伴いサポート終了してしまいましたので、DACユニバーサル2は撤去し、新たな機械を2種類導入いたしました。
注油・洗浄と滅菌を2種類の機械で分けて行うことにより、より効率良くハンドピースの衛生管理ができるようになりました。

 

 

 

①ルブリナ2 (モリタ社製 歯科用ハンドピースメンテナンス装置)

「ルブリナ2」は、日々の歯科診療に不可欠なハンドピースのメンテナンス(注油・洗浄)を自動で行う機械です。
それぞれのハンドピースに合った適切な注油量、ブロー時間がプログラムされており、、最大4本のハンドピースを短時間で自動的にメンテナンス可能です。
クリーンエアーブローシステムによりハンドピース内部の隅々まで、しっかりと注油・洗浄しますので、人の手による作業に比べ、バラつきが無く安定したメンテナンスが施されます。

 

 

 

②iClave mini2 (ナカニシ社製 ハンドピース用高圧蒸気滅菌器)

「iClave mini2」は、従来のモデルよりさらに進化したハンドピースのための滅菌器です。
滅菌前の重力置換工程を従来より増やし、さらにハンドピースの滅菌に適した縦型配置による蒸気浸透度を向上させ、滅菌力が向上しました。
専用バスケットを使用して、最大12本までのハンドピースに対し、効率的な高圧蒸気滅菌を行います。

これからも患者様を徹底して院内感染から守るために、ルブリナ2とiClave mini2を併用し、引き続きハンドピースの衛生管理を行ってまいります。
その他の器具も、院内感染予防対策について徹底しております。下記のページの設備紹介もご覧くさだい。

設備紹介

 

 

 

DACユニバーサル2には大変お世話になりました。6年8ヶ月もありがとうございました!