その口臭、虫歯が原因かも?虫歯と口臭の関係性

口臭は、自分のでも他人のでも気になりますね。しかし口臭を気にする人でも、その原因を知らない方も多いものです。お口の健康と口臭には大きな関わりがあります。今回は、その中でも口臭の原因として多い虫歯と口臭の関係性について解説していきます。

 

 

 

口臭の原因にはどのようなものがある?

 

 

口の中に原因がある口臭は、食べかす、はがれた粘膜細胞、歯周ポケットからの浸出液に含まれるたんぱく質を口の中の細菌が分解するときに揮発性の硫黄化合物(VSC)が発生して起こります。揮発性の硫黄化合物は3種類のガスで構成されます。

メチルメルカプタン:食品の腐ったようなにおい

ジメチルサルファイド:生ごみのようなにおい

硫化水素:卵の腐ったようなにおい

これらのガスが混じり合ったものが口臭として発生しますので、非常に不快に感じられるといわれています。

 

 

口臭の種類には以下のものがあります。それぞれ原因が異なります。

 

<生理的口臭>

生理的口臭とは誰にでもある口臭です。普段生活している中で、唾液の分泌量が減少し口腔内細菌の活動性が増すタイミングで、口臭の原因である揮発性硫黄化合物(VSC)が多く作られるために発生します。

生理的口臭は、起床時空腹時緊張時に特に強まります。しかし、歯磨きで細菌やVSCを減少させたり、水分補給や食事、会話などにより唾液分泌を促すことで自然に消失していきます。よって治療の必要はありません。

 

<嗜好品や飲食に由来する口臭>

アルコール喫煙ニンニクネギなどの臭いのある食品を摂取後にはそれ由来の口臭が発生しますが、外部より取り込まれたものですので、治療の必要はございません。時間の経過とともに消失しますが、気になるときはブラッシングやマウスウォッシュ、ガムやタブレットなどで軽減しますのでご安心ください。

 

<病的口臭>

病的口臭の内、90%以上は口の中に原因があるといわれています。虫歯(う蝕)や歯周病、歯垢、歯石、舌苔、不適合の冠や詰め物、義歯の清掃不良などにより口臭が発生します。

 

<虫歯(う蝕)>

虫歯が小さいうちであれば臭いはしません。虫歯が大きくなってくると歯に穴があきますのでその中に細菌や食べかすが溜まって臭いがでてきます。さらに進行すると歯の内部の神経が壊死し、腐敗臭を発生します。

 

<歯周病>

歯周病も初期では臭いはしません。進行すると歯周ポケットが深くなり、内部に歯垢や歯石、歯周病菌が蓄積しますので臭いを発生します。さらに進行すると歯茎が化膿しますので、膿んだ臭いも混じって悪臭となります。

 

<舌苔(ぜったい)>

舌の表面にコケのように薄くはりついている白~黄色っぽい物質を舌苔といいます。これらは新陳代謝によってはがれた細胞や食べかすなどの集合体です。舌苔自体も臭いの原因となりますが、口腔内細菌に分解されるときにVSCが発生します。

舌専用のブラシを使って丁寧に清掃することで除去できますが、やりすぎは舌を傷つけてしまいますので力の入れ加減や頻度が重要です。

 

<不適合の冠や詰め物>

金属の冠や詰め物などは歯と嵌合(はまりこむ様式のこと)するように作られ、すきまはセメントで封鎖されます。時間の経過とともにセメントは崩壊してもそのまま外れずに歯にはまっていることが多くあります。セメントはなくなっていますので冠や詰め物と歯の間にはすきまや段差が存在したままで汚れや細菌が蓄積します。そのこと自体が口臭の原因ともなりますが、二次的に発生した虫歯や歯周病により口臭が発生することもあります。

 

<義歯の清掃不良>

多くの義歯はプラスティックでできています。プラスティックは吸水性(水分を吸収する性質)があり、表面に細かい傷がつきやすいという性質もあります。日々のお手入れを怠るとすぐに臭いの原因となってしまいます。薬局などではの洗浄剤も販売しておりますが、使用前に義歯用のブラシでしっかりとこすって清掃することが大切です。

 

 

 

その他、鼻やのどの病気呼吸器系の病気消化器系の病気糖尿病肝臓疾患などによっても口臭が引き起こされることがあるともいわれています。

 

 

<心理的口臭>

口臭測定用の機械を用いた検査をしても、口臭があるとは認められないものの、患者様ご本人が口臭を自覚している状態をいいます。同時に過度にストレスを感じていたり、精神的に不安定であることが多いので精神科の受診が勧められます

 

 

 

虫歯は口臭の原因となる理由とは

 

虫歯にはCO(シーオー)~C1~C2~C3~C4と5段階の進行があります。

段階ごとで口臭が発生するメカニズムが変わってきます。

 

CO:虫歯の前段階の要観察歯

歯の表面のエナメル質の欠損を伴わないもの(歯が溶けていなくて穴があいていない状態)。

噛む面の溝の黒や茶色の着色、フラットな側面の白や茶色の着色が見られます。COの部位は凹凸が大きかったりするので汚れたままになってしまっていると次の段階へ進行してしまいます。厳密にはこの段階は虫歯ではありませんし、口臭も発生しません。

 

C1:エナメル質の虫歯

歯の最外層のエナメル質に限局して欠損がある状態。

エナメル質は虫歯菌の産生した酸によって溶けてしまっていますが、セルフケアや口内環境の改善によって進行が止まる場合もあります。穴は浅いので、うまく磨けていれば虫歯菌や食べかすなどが長く留まることはなく、口臭の原因ともなりません。

 

C2:象牙質の虫歯

歯の内層の象牙質にまで欠損が及んだ状態。(穴があいた状態)

虫歯菌が産生した酸が最外層のエナメル質を貫通し、さらに内部の象牙質まで溶かしてしまっています。象牙質はエナメル質より耐酸性が低いので虫歯は急速に広がります。タコつぼのように入り口は小さく、歯の中で大きく広がっていますので、磨いても歯ブラシは届きません。

内部では虫歯菌や食べかすなどがたまり続けるのでVSCが発生し、口臭の原因となりはじめます

 

C3:歯髄(歯の神経)の感染

歯の内部に存在する歯髄(歯の神経)に虫歯菌が侵入した状態。

虫歯菌が産生した酸が内層の象牙質も貫通し、さらに内部の神経に虫歯菌が感染しています。神経は細菌感染が起こると壊死してしまいます。神経が全て壊死しますと虫歯菌は、歯の中から外部へ広がっていきます。歯の根の周囲の骨や歯茎を溶かし続けていきます。

この段階にいたると、歯の内部の壊死組織や虫歯菌、歯の外部の感染した骨や歯茎より発生する膿、虫歯によって空いた穴に蓄積した食べかすなどが混合した口臭となり、その程度も急激に強まりはじめます

 

C4:残根(歯冠の崩壊)

虫歯により歯の見える部分が全てなくなり、歯茎の中に歯の根だけが残っている状態。

残された歯の根は虫歯菌に感染し、周囲の骨も大きく溶けて細菌感染の範囲も広がっていきます。根の内部の壊死組織や虫歯菌、細菌感染した骨や歯茎より発生する膿、残根に蓄積した食べかすなどが混合した口臭も原因物質が増加し、程度もさらに強まります

 

 

 

口臭のセルフチェック方法

 

他人の口臭は気になることはあっても、自分の口臭は自分ではわかりにくいものです。それは嗅覚の慣れが原因です。いつも自分から発生される臭いに自分の嗅覚が慣れてしまいますと、悪臭として認識しなくなってしまうのです。普段使用している衣服の洗剤や柔軟剤のにおい、香水のにおい、体臭などと同じように慣れてしまっているのです。

また他人の口臭は指摘しにくいものです。親しい友人で会っても相手の口臭を指摘することは難しいと思います。ですから、「もしかして私の口クサいのに、周りの方々は気遣って指摘しないだけなのでは、、」などと不安になってしまったりする方も多くいらっしゃいます。

 

口臭の不安を感じたら、そのチェックはまずは歯科医院を受診しましょう。

診察を受ければ、歯科医師からの客観的な口臭の評価が得られます。また、口臭の原因が口の中に存在するかどうかも分かります。

しかし、これはただ歯科医師が嗅いだ臭いを評価しているだけですので、「大丈夫ですよ」という言葉だけではまだ不安を抱える方もいらっしゃると思います。そのようなときは大学病院を紹介させていただきます。多くの歯科大学の付属病院などには「口臭外来」があります。口臭外来ではガスクロマトグラフィーという機械を用いますが、この「ガスクロ」により口臭の原因物質を同定、定量、分析することができます。

 

歯科医院を受診する前ににセルフチェックする方法としては、

ビニール袋などに息を吐きそのにおいをかぐ、コップなどに唾液を出しそのにおいをかぐなどの方法があります。ただし、前述のようにそのにおいに慣れてしまっている場合も多くあります。信頼できるパートナーがいらっしゃれば聞いてみるのも良いでしょうし、家電量販店や通販では市販の口臭チェッカーも販売していますので使ってみても良いでしょう。

 

 

まとめ

口臭は、自覚しにくいのに周りの人には気づいて不快に感じるものです。さらにそれを指摘する勇気のある人はかなり少数だと思われます。

まずは口臭の不安を感じたら、そのチェックは歯科医院を受診しましょう。診察を受ければ、他の患者様と比較しての評価になりますが、歯科医師からの客観的な口臭の評価が得られます。

もちろん、私もそうですが口臭のある患者様には配慮して聞かれなければ口臭のことに触れない歯科医師も多いと思います。自分から「口臭が気になるので診察してください」と言い出しにくいのであれば、問診表に「口臭が気になる」と記載するとよいでしょう。

 

診察の結果、病的口臭の原因となるものが口腔内に存在すれば、それをなくせば改善する可能性が高いですし、実際には歯周病や虫歯などの治療後には、病的口臭は消失していることがほとんどです。

数ヶ月以上かかることも少なくございませんが、治療の恩恵は、口臭だけではなく口腔内や全身の健康増進にもあります。

 

割合としては決して多くはございませんが、それでも改善しない場合は内科や胃腸・消化器科の受診を勧め病的口臭の原因究明を行っております。

虫歯や口臭など口腔内で気になることがございましたら、加賀美歯科へご連絡ください。